他者に共感する力が低い
人の気持ちや思考を完全に理解するのは簡単ではありませんが、表情や声のトーンから多少なりとも感情を察する事がほとんどの人にはできるらしいですが、境界知能は他人への共感力がなぜか低い傾向があります。
その原因が5つくらいあります。
一点に絞れば集中し聴き取る事は可能ですが、これらの事例を複数こなしたりする同時進行になると注意が散漫し、話しの内容に意識が向かなくなります。
境界知能の場合、言葉の意味を理解する時間がかかる事があり、物事を深く考えるのが苦手で人の気持ちをわかるまで理解するのが難しい傾向があります。
しかし、地道な訓練をすれば相手のしてほしい事や思考をある程度は察する事が出来るので、いくつかのコツをご紹介します。
①曖昧な言葉を具体的なキーワードで質問する
直接声を掛けられても、耳で情報を取得するのが苦手だと聞いていた指示をやっていたつもりが、間違いを指摘されて落ち込む悪循環に陥ります。
もっとも指示に使う言葉が(あれ、なるべく、大体)等の曖昧で誤解が生じやすい言葉のため、上手く翻訳できない小tが誰もあるはずです。
スピード感を重視する職場だと、曖昧な言葉が乱用するので余計に混乱しやすいかもしれません。
そこでわかり辛い言葉を具体的なキーワードで質問してみます。 具体的なキーワードとは例えばの以下のような感じとなります。
曖昧な言葉を具体的にする
- あれ持ってきて⇒テーブルの上のブラシを持ってきて
- なるべく早くやってほしい⇒明日締め切りの仕事だから、早めに終わらせてほしい
- ここはこういう風に書いて⇒問題点を過剰書きでまとめて書いてほしい
テーブルの上、明日までにといったキーワードに変換して質問をすると、正しい想像が鮮明に浮かんできて、思い違いがなくなる可能性が大幅に上がります。
まず相手に具体的なキーワードをよく使って質問をし、やってほしいことが明確にさせると他人の気持ちが少しわかるようになっていきます。
②適切な自己評価をやる
自己評価は他者との関係性で育つ
引用元:境界知能とグレーゾーンの子どもたち 1巻
人の気持ちや心情がわからないのは、自分自身のことがうまく理解できていないことが背景にあります。
自己評価がうまくできていないと、自分がどういう人間なのかわからないので、他人にも無関心な事が境界知能に多いです。
境界知能とグレーゾーンの子どもたちを読んだら、他人の欠点ばかり指摘する人、問題行動が多いのに自分は優しいと言う変わった子供がいたりしました。
対人スキル(相手の表情や視線を見る)の能力が弱いので、自身の長所短所のフィードバックがうまくできないのが原因でしょう。
適切な自己評価をやるには自分の主観だけで決めるのではなく、他人が自分をどういう人間だと思ったのか意見を取り入れた上で思考すると、自身の人物像がさらに深く内省できるようになります。
③相手に注意を向ける
具体的なキーワードを使った質問、適切な自己評価をやれば他人の気持ちが50パーセントくらいわかるようになり、相手の表情の認知までいけたら70パーセント以上に達します。
注意を向ける前提は
- 相手の方に身体や顔を向ける
- 相手の目を見る
境界知能だと、この二つを実践するのが難しい場合も多いですが、5分以内ならば注意を向ける事が持続できます。
そこから、表情自体を読み取れば相手の気持ちを考えられるレベルがかなり上がるでしょう。
人の気持ちを考えられるレベル
レベル1 相手の表情が表情がきちんと読める
レベル2 相手の気持ちを察する
レベル3 相手の置かれた状況の背景まで想像して気持ちを理解できる
まとめ
気持ちがわかれるようになる練習
- 曖昧でわかり辛い指示には、具体的なキーワードを使って質問する
- 適切な自己評価をする
- 5分以内くらいは相手に注意を向ける
境界知能は人の気持ちがわかり辛く、空気を察しにくいのが大きな障害でそれが生き辛い要因になっています。
しかし話せる人と会話する、表情や視線に注意を向けるなどを繰り返せば人の気持ちの70パーセントはわかるようになっていきます。