知的障害
トゥッキーのプットブログ
境界知能・軽度知的障害

境界知能の不器用さを改善するには?

境界知能当事者の私は、小中学生時代は運動が苦手で体育の授業はほぼ地獄であり、シャトルランは10週目で脱落し、跳び箱も全く飛べませんでした。

運動が苦手なのは境界知能者共通の特徴で、これのせいで同級生に笑いものにされたり、教師には努力不足だと責め立てられることがあり、自己肯定感が低くなることがよくあると思います。

不器用さには発達性強調運動障害が原因であることが多く、境界知能や軽度知的障害だとこの障害と併発することがあります。

発達性強調運動障害

運動のバランス感覚に問題があり、端的に言うと運動神経が異常に悪く、左右の手足を組み合わせて行う協調運動に進歩が普通の人に比べて遅い障害と言えます。

身近な事例
  1. 跳び箱が飛べない
  2. 皿洗いしてる途中、割ってしまう
  3. 字がうまく書けない
  4. 鉄棒で逆上がりできない
  5. ボールをキャッチできない

例えばケーキの切れない非行少年たち漫画版4巻を読むと、とある少年は悪気はなかったとはいえ、力の加減ができず傷害事件を度々起こし、ある時バイクの運転中に誤ってアクセルを踏んでしまい事故を起こし少年院に収容されました。

その少年は院内でも歩いてる最中に正面から来る人の方にぶつける、または食事中に味噌汁をひっくり返して前の少年にかけてしまうなどの問題を起こしていました。

少年には悪意のある描写はなく、問題の根本的原因が身体の不器用さ、すなわち発達性強調運動障害が関係していたためです。

もしも障害を早く発見し何らかの支援をしてくれれば、身体の使い方も上手くなれたかもしれませんし、事件も起きなかった可能性もあります。

この少年は運動能力が他の子供より低いことを理由に、周りから馬鹿にされたりからかわれる等のいじめを受けてきた被害者でもあったのです。

このように境界知能や軽度知的障害は発達性強調運動障害の特性を併せて持っていたために、本来学校で磨かれるべきコミュニケーションスキルや社会適応力が向上できないまま社会の荒波に放り出される事が実に多いのです。

どうすれば不器用さは改善できるのか

IQにも人それぞれがグラデーションに違いがあり、運動能力にも個人差で差異が生じるのは仕方のないことかもしれませんし、不器用でもそれなりに上手く生活できる人はいるとは思います。

しかし境界知能や軽度知的障害者の問題点の一つに、身体の使い方が不器用なのに建設現場や道路工事などの肉体労働に従事する事例が多いことです。

土木や建設業界だと重機を運転したり、土のう袋を運ぶのはかなりきつくしかも怒鳴り声をあげる作業者が多数いるので、かなり精神的にきつい職場というイメージが強いでしょう。

著しく運動能力が低い境界知能者はまるで連鎖するようにこの仕事に就き、特性のせいで度々ミスをし上司に怒鳴られてメンタルを病みうつ病になったり、仕事をやめて再就職がより難しくなり最悪犯罪に染めるという末路をたどる事があります。

デスクワークに就く方法もありますが、その類いの仕事は応募者が多く倍率が高い傾向があり、一次選考を突破するのも難しいでしょう。

身体の不器用さが仕事に影響をきたしているなら、可能な範囲それを改善する必要があります。

改善するポイント
  1. 感覚統合を促す運動やゲームを生活に取り入れる
  2. やっても苦にならないスポーツを1万時間以になるまで練習する

感覚統合を促す運動やゲームを生活に取り入れる

自分の身体の位置や角度を知覚する感覚とそれを統合する認知機能が弱いと、周囲の人や物との距離感を見誤ってしまい、ぶつかりやすくなる事が多く発生します。

逆に感覚統合能力を上げれば、身体を動かす不器用さが大幅に改善され苦手だった運動ができるようになる可能性が大いにあります。

例えばジャグリングという技術は、3個以上のボールなどを空中に投げて取ったりを繰り返し、一つ以上のボールを浮かせている状態を長時間維持させる、まさに大道芸やサーカスで観客を楽しませるパフォーマンスの高い芸です。

ジャグリングは上手い人は協調運動能力が高い、つまり身体のバランス感覚がよく手足の使い方がとても器用で、もし習得すれば感覚統合や認知力が磨かれ、不器用さを大幅に改善できる可能性があります。

他にも感覚統合能力を上げるゲームが多数あるので、これらを検索し続けられそうな科目を生活に取り入れれば手足の使い方がかなりうまくなるでしょう。

感覚統合を促すゲーム

  • 積み木
  • 新聞紙ちぎり
  • バルーンバレー
  • 坂のぼり競争
  • カラーコーン倒し
  • だるまさんがころんだ

やっても苦にならないスポーツを1万時間くらいになるまで練習する

境界知能は不器用さゆえの特性ゆえにスポーツが嫌いになりやすくなるというジンクスも一定はあると思います。

しかし特定のスポーツだけはうまく出来たケースもあり、例えばテニスが苦手でもバドミントンはうまく出来たケースもあります。

他にもプロスポーツ選手には幼少期は協調運動が苦手だった人がそれなりにいて、練習時間が一万時間に達するまで積み重ねて身体を動かすバランスがよくなったエピソードもかなり多いです。

身体が不器用だとスポーツそのものが向いていないのではないかと悲観するかもしれませんが、あなたが心の底から夢中になれるスポーツや遊びがあればそれを一万時間あるいはハードルを下げて何度も練習すれば、必ず上達し不器用さもかなり改善できるはずです。

ちなみに私も幼少期はかなり不器用でしたが、水泳の習い事をしていた時期があったので、それで多少は手足の不器用さが改善されたのだと思います。