知的障害
トゥッキーのプットブログ
境界知能・軽度知的障害

境界知能はなぜゲームが難なくできるのか?

2026年になりましたが正月休みはゲームをやりすぎたので、それについて書こうと思い記事にしました。

私はゲームが唐突にやりたくなり、去年の12月に携帯型のゲーミングPCを買い、それでひたすらゲームプレイをやりこみました。

自分が境界知能だとわかった時をきっかけにゲームを卒業しようと思い、持っていたゲーム機をフリマアプリで売却しもう今後はゲームプレイする事はないだろうと思っていました。

代わりの趣味として読書を始めたのですが、読む途中で億劫となり結局はスマホでネットサーフィンの方にのめりこんでしまったり、ブログ運営もアクセス数が上がらずSNSも投稿などのアウトプットをやる頻度が少なくなり、すっかりにマンネリ状態となってしまいました。

そのため自己否定や希死念慮の念が日に日に強まり、何か夢中になれることを探したら昔RPGゲームにハマり込んでいた事を思い出し、ちょっとした現実逃避の手段として卒業したゲームをまたやる事になりました。

久々にやったせいか、かなり楽しく夢中になってプレイしていました。

思えば子供のころ勉強は苦手でしたが、TVゲームや簡単なボードゲームはそれなりに得意でそれに楽しみを見出していました。

境界知能や軽度知的障害には勉強は苦手でもゲームは得意という特徴があり、勉強に苦痛を感じるとゲームに逃避する事がよくあります。

何故そのようなことが多いのか、その理由を自分なりに考えてみたので書き上げようと思います。

何故ゲームの方が面白くて、授業がつまらないと感じるのか

ゲームと勉強は「問題解決するための頭脳労働」という共通点があり、決定的な違いは具体的な目標が決められているか、そうでないかです。

例えると学校の授業を一種の謎解きクイズに位置付け、それを受ける生徒をプレイヤーと仮定します。

教師は教科書に書いてある内容を読み上げ、問題集(テスト)を配って、生徒はそれを解くために解答を書きます。

ここまでが授業の流れで大半の生徒は手早く解答をかけますが、知的能力に制約がある境界知能の生徒は教師の言ってる事がよくわからず、テストの内容も理解が困難なため解答を書くのに時間がかかります。

そしてほぼ赤点に近い点数で教師から叱責され、同級生には馬鹿にされる日々を送るためこのような環境だと当事者にとっては学校は生き地獄に近い場所になってしまいます。

そもそも学校の授業は、教師が一方的に”テストをクリアせよ”という課題を提示し、生徒は無表情でそれをこなす体制になっていて、そこにはテストをクリアしたらどんな知識やスキルが身につくのか、それが日常生活に役立つのか等の具体的な説明が不十分な面があります。

特に境界知能の生徒はテストをやり終えた後のビジョンに達成感や充実感を感じないため、勉強がさらに苦手になるのは無理のないことも知れません。

一方TVや携帯機などのデジタル方式で展開されるゲームは、プレイヤーを長い時間楽しませるために様々なアイデアを試行錯誤して作られており、事実日本製ゲームは海外でも大きな人気があります。

日本製といえばドラクエ・FF・モンハンが特に有名で20年以上もシリーズ化されゲーム業界を引っ張るほどの影響をもたらしました。

これらのゲームの面白いポイントをまとめると、

  1. 森林や海などの自然の風景が、グラフィック(映像)技術によって美しく描かれている
  2. 画面に映るキャラクターひとりひとりが個性的で、強い印象を植え付けられる
  3. 姿形がかっこいいモンスターとのバトルに胸が躍り、強い緊迫感を感じる
  4. 物語の主人公が強い敵に立ち向かい、時に挫折しながらも成長していく姿には感動を覚える
  5. ゲーム上の目的がはっきりしている(ラスボスを倒す、最強の武器を入手する等)
  6. 心に響く音楽が流れ、没入感がさらに増す

これらの要素がバランスよく注ぎ込まれており、今でも世界中の人々に愛されています。

中でも目標がわかりやすくはっきりしている点がさらに没入度を高め、これを達成出来たら大きな報酬(EDムービーや入手難易度が高い武器)を得られる仕組みなっているので、プレイヤーが何度挫折しても挑戦し続けられる構図になっています。

境界知能の生徒はその特性と境遇故に、授業をきっちりやった”その先”がピンとこないために勉強をやろうとしても一向に上達できず、挫折したまま諦めるケースが数多くあります。

私見ですが、学校の授業は勉強をやったその先を生徒に伝えられていないよう気がします。

ゲームには未来を思い描く力を鍛えられる可能性がある

オカルト、ファンタジー等の非現実体験をもたらしてくれるのがゲーム最大の魅力で、これを通して未来を予想する能力が育まれ、発達障害や知的障害などの神経発達症の療育のベースにもなります。

未来について考えるほど善悪の判別やトラブルへの対処ができるようになるので、目的がはっきりしているゲームは未来予測を向上させるのに一役買っていると言えるかもしれません。

他にもゲームによって鍛えられる能力が様々あり、各ジャンルに能力が異なります。

  1. RPG
    • クエストを達成、ストーリーを進めるごとに成功体験を積み重ねる事ができ、問題解決力の向上ができる
  2. アクション、対戦格闘
    • スピード感のある戦闘で敵の動きを見切る集中力が必要で、正確なコマンド入力をすれば派手な必殺技を叩きこめた爽快感が得られる
    • 上記の性質から空間認識能力とマルチタスクをこなせる能力が身に付く
  3. パズル、謎解きゲーム
    • パズルは配置場所の思考を繰り返しすることで、想像力が上がる
    • 謎解きの場合、クイズ等の文章を正しく読み解く読解力、内容を短時間で覚えられる記憶力が研ぎ澄まされる

ゲームには娯楽としての機能だけでなく、様々な能力を底上げできる大きな可能性があり、精神疾患などの治療にもなるコンテンツでもあります。

ゲーム沼にハマらないようにするには?

ゲームは非常に魅力がある遊びですが、それ故にハマりすぎると抜け出すのが難しくなる危うさも秘めていてます。

境界知能は勉強や仕事がうまくいかないケースが多く、リアルでは充実した生きがいを感じられない思う事があるためゲームをやり込むことで自己肯定感を上げようとする傾向があります。

昔の私も学校では成績が最下位に近く、友人関係も恵まれなかったのでゲームに逃避する事がほとんどで、半ばゲーム沼にハマっていた時期がありました。

一度沼にハマれば抜け出すのは難しいですが、環境を整えればプレイ時間を1時間は抑える事はできると思います。

ゲームから離れようと思ったときは、このような工夫をすれば効果があります。

  • ゲーム以外にも趣味を複数持つ
  • ゲームプレイ用の部屋としない部屋に区分けする
  • 趣味として嗜む程度ならオフラインゲーム一筋に絞る
  • 1日何時から何時までプレイしたかの時間を書いて記録する

まとめ

学校教育では挫折しやすい境界知能はゲームは筒抜けて上手いというケースが結構あると思いますが、勉強が目的が抽象的なのに対し、ゲームは目的が具体的で分かりやすいという事が要因かと思います。

実際ゲームを繰り返す事で善悪の判別ができたり、記憶などの認知機能を向上させる効果があります。

そのためか近年ではゲームの要素を取り入れた勉強方法が開発されたりもしています。

ゲームや他の趣味を複数持っていたら、認知能力のさらなる向上が見込めると思います。