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【読書感想】逆境に克つ力 親ガチャを乗り越える哲学 要約

ケーキの切れない非行少年たち著者の宮口幸治氏と、哲学者神島裕子氏が対談インタビューを交えながら、親ガチャに対する考察が書かれています。

親ガチャって?

2021年頃に流行ったワードで、家庭環境をカプセルトイのランダム性に例えた内容です。

SNSの発達による影響で、他社の生活や人生の印象を簡単に見れるようになり、アップロードした写真やストーリーに羨望を掻き立てられ、気付かずに自分と比較して劣等感を抱き両親に恨みを抱いてきます。 その意見をSNSに発信して瞬く間に流行りました。

流行り出した途端、自分の家庭環境の引きが悪かったと残念がる声が数多く飛び交っています。

外れたと思う人たち

モデルケース分析によると、この8人はそれぞれ家庭環境に差異はありますが、何らかの理由で苦難の日々を過ごしています。

例えばケースに入るスズは母親がシングルマザーで、離島に自宅があり通学が不便な環境にいます。 彼女にはいつか都会で暮らしたいという夢がありますが、母親を残していくのはできないと思っているようです。

少し悪い言い方ですがシングルマザーだとガチャが外れたと思うかもしれませんが、スズと母親は仲が悪くはなく、友達とオンラインゲーム楽しくプレイしている描写があるので決して不幸とは言えません。

自分を育ててくれた母親を置いていけないという考えから、お互い大事にしているイメージはありました。

誰がアタリで、誰がハズレか?

画像引用元:54~55ページ

意外な共通点

親ガチャが外れたと仮定されているモデルケースの人たちの共通点とは、親子心底憎しみ合っていない事です。 他にもまだあります。

  • 家庭内暴力はない
  • 借金をしたり家出人はいない
  • 麻薬中毒者は現れてはいない

それぞれ富裕の差はありますが、普通の親子関係なことがほとんどでたまにきつい一言を言うのもありますが、親子お互いに思い合っているのが共通しています。

著者二人の見解では、”親ガチャに外れるという本当の意味”とは

  • 親元で子供が自分の好きを見つけることが難しい
  • それを追い求めることは難しい状況に追いやられている

このポイントが目に留まり、親への不満に変換されてるといえます。

親ガチャに惑わされずに生きる

賛否両論のある親ガチャですが、ガチャハズレを唱えている人はその実、親を心底恨んではいないかもしれません。

周辺の家庭環境を見て一時的に羨望を持った気持ちと言えるでしょう。

親ガチャに惑わされない、つまり羨望や劣等感に惑わされないマインドを持つのが大事だと読んでて思いました。

知った方が良いマインド

  1. 親を恨んでも意味がないと知っておく
  2. 人生を数十年単位で見る
  3. 自分と他人を比べない

まとめ

人それぞれの家庭環境を分析しながら対談インタビューを交えて考察をし、社会で生き抜く術を簡素に説明しています。

親ガチャとは結局何なのかどういうものか、心理の専門家や意見を知りたい方には一読する価値がある著作だと思います。