意図的ではない嘘
境界知能や軽度知的障害だと他者とのコミュニケーションを取る際に相手から嘘を言われたと非難されることがあります。
知的なハンディキャップがあると質問の受け答えに苦労することがあり、当事者としては精一杯相手の望む答えを出したつもりが、相手にとってちぐはぐな返答で、すれ違いの末口論になることがあります。
軽度知的障害者が嘘をつきやすいと考えられる原因には以下のことが考えられます。
- 思考がゆっくりなため、言葉の意味が理解できない
- 沈黙する時間が長いため、相手に急がされる
- 語彙力に乏しい
- そもそも雑談が好きではない
人づきあいが苦手なことが特徴の一つでもあるので、聞き間違いがよく多発する件もありますが、根本的な問題には言葉を覚えるのに時間がかかるという点です。
言葉を覚える速さには言語性ワーキングメモリが関わっていきます。
言語性ワーキングメモリ
この言語性ワーキングメモリが弱いと脳で言語を処理する聴覚認知が苦手になり、人の話を聞くことに困難が生じ、他人の話しがうまく聞き取れず指示された事と違うおかしな行動をすることがあります。
これを繰り返してしまうせいで嘘つきと呼ばれるようになり、他人から白い目で見られた人はかなり多いでしょう。
しかし忘れてはならないのが境界知能や軽度知的障害の場合、わざとではなく脳の反射的行動によるものです。
改善点
耳で覚えるのが苦手だとしても視覚的認知と合わせれば覚えられることがあります。
- 文字で覚える
- 絵や写真、実物を見せて理解しやすくする
- YouTubeなどの動画を見て記憶に定着させる
視覚的認知と合わせれば、言語理解力が低い傾向がある軽度知的障害でも約束とか打ち合わせのスケジュールが覚えやすくなります。
ちなみに一度説明されても理解できない場合には伝える側にも問題がある事があります。
何か重要なことを伝えるときには短く話す、言葉の他にも視覚的認知と合わせて説明する ここに配慮すればわかりやすく伝わり相手の言語性ワーキングメモリを上げる一助にもなります。
まとめ
軽度知的障害や境界知能が噓つきと言われてしまう原因には、言葉を覚えるのが遅く言語理解力が弱い事が原因です。
出来るだけ早く見つけて支援すれば的確な返答もできるようになり、嘘つきと言われることも減るようになります。