知的障害
トゥッキーのプットブログ
境界知能・軽度知的障害

境界知能がどうして辛いのか? どうすればいい

IQ(知能指数)70は基準でしかなく、問題は境界知能・軽度知的障害というだけで何故こうも息苦しい思いをしなければいけないという事です。

学校や会社では他の人に比べて奇怪に見られ厄介者の烙印を押されることが多く、孤立気味になることがあります。

日本ではIQ平均100以上の人が大多数おり、それを下回る人が現れることが結構稀であり、必然的に境界知能や知的障害者はIQ平均100以上の人についていくのが困難になっているためです。

特に学校ではIQが低い子供ほど虐げられる傾向が強く、非行に走る少年少女が多数いる可能性があります。

特に辛いと感じる事

  • コミュニケーションがうまくできない
  • 勉強だとクラスだと落ちこぼれになる
  • 身体の使い方が極端に不器用

コミュニケーションがうまくできない

言葉を覚えるのに遅れがあり、子供だと3歳以上になっても言葉の意味も理解する事が難しい場合があります。

さらに知的なハンディがあると他人の気持ちがわかり辛く、共感できないという問題があり軋轢が生じやすいので、コミュニケーションが全体的に苦手になりがちです。

これが自己肯定感を下げる要因にもなっています。

勉強だとクラスでは落ちこぼれになる

記憶力が低くIQ100以上の子供よりも、物事を長い時間覚える事が出来ません。

また覚える事が複数あると少しパニックにもなり、ついさっきまで覚えていたことを忘れてしまう事もあります。

例えば「算数の教科書139ページを開いてください」と学校の先生が言ったとしますが、境界知能者は算数の授業だとわかっていてもページ数まで記憶する事が出来ません。

それはワーキングメモリが弱く”算数の授業”というキーワードまで覚えるのが限界で、ページ数を正しく覚えるのが難しいためです。

ページ数138を二回程度言えば覚えられますが、教師によっては”一回で覚えろ”、”ページ数も分からないのか?”と怒鳴る事があり、子供にはこれが恐怖感にもなるのでますます覚える事が出来ず成績が下降してしまいます。

結果的に同級生には見下され、教師や親にも責められるせいで悪い方だけに記憶が定着し勉強の成績が下がる傾向があります。

身体の使い方が極端に不器用

別々の動作をまとめる協調運動に障害があり、食器洗いの時に皿が落ちないように片方の手でつかみ、もう一方の手でスポンジを握り皿をこすると誤って食器を落として割れる事例がよくあります。

他にもサッカーボールがまともに蹴れない、ドッジボールではキャッチできないといった不器用さが目立ち、狙い撃ちされるといった悲惨な目に遭います。

15歳以上になってもそれが続き、不器用な自分への嫌悪感を抱く事もありえます。

体育や運動会などの授業があると特に不器用さが目立ち、図らずも同級生の足を引っ張りさらに疎まれてしまい余計に生き辛い思いをすることになります。

運動が苦手でも大丈夫だと言われたりしますが、実際は身体の使い方が不器用な子供を厄介者扱いをしているのが現実です。

どうすれば生きやすくなるのか

人には向き不向きがあるから上記の三つのことが苦手でも大丈夫だと言う人はいますが、正直なところ生きづらさを持っていない人の気休めでしかなく、実際にこれらができないから強い劣等感を持つ人がたくさんいるはずです。

とはいえ境界知能や軽度知的障害だと障害があることに気づかれない事がほとんどで、どんな支援をすればいいのかわからないというのもあります。

最低限やれる方法としては、

  • 療育、医療機関に受診する
  • 小学生の場合、児童精神科に相談する
  • 知能検査(WAISもしくはWISC)を受けてみる
  • 社会面、学習能力を上げるトレーニングをする(コグトレ)など
  • 利用できる支援先を多く知る

療育手帳を取得するのが最も確実に支援を受けられ生きやすくなります。

しかし、障害があるという事実を認めたくない人もそれなりにいて、適切なケアをせずに社会に出て挫折するケースがありもし犯罪が起きた場合、マスコミにより知的障害がある事を含めて報道され、それも世間への悪印象を植え付ける形になります。

手帳をせずに生活していくとなると、(コグトレ)などのトレーニングを実践し認知機能を向上させる方法もあります。

コグトレは学習・身体・社会に求められる能力を上げ生きづらさを抱える子供たちのために臨床心理士の先生が考案した境界知能や知的障害専用トレーニングともいえる勉強法です。

専用トレーニングをやる事で出来る事が広がり劣等感を減らせば、50パーセントは生きやすくなるかもしれません。

境界知能や軽度知的障害の実体験をもっと知るなら、「境界知能とグレーゾーンの子どもたち」を一読するのもいいかもしれません。 

漫画なので読みやすいです。