知的障害
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軽度知的障害者に起きる【パニックの原因】と収束させる手段

パニックが起きる背景

不安や恐怖を過度に貯め続けると、キツイ口調になる、見境なく暴れ出すといった行為をすることがあります(暴走のレベルには個人差があります)。

軽度知的障害の人は思い通りに物事が進まない時は、イライラするだけでなく、自傷行為にまで及び最悪他人に攻撃的になってしまいます。

自傷行為

  • 自分の手を噛む
  • 頭を壁に打ち付けたりする

他害行為

パニックを起こす人に注意したら、逆上されてしまう事例もあります。

  • 注意した人に難癖をつける
  • 物を投げる
  • いつもよりきつい口調になる

過去のトラウマが原因というケースが多い

自分に自信がない、他人と比べがちでコンプレックスが強いと、自分の感情が伝えにくく助けを求められない。 不満を和らげることができないといった弊害があります。

ワーキングメモリの弱い知的障害者は、時間の感覚が曖昧なため、昔あったことに思い出す、過去の嫌なことを追体験しやすく突発的に暴れ出す事例がいくつかあります。

トラウマが頭に浮かびすぎて、気付けばパニックを引き起こしてしまい、他人にキツイ口調になっている事にも無自覚です。

対処法:場所を変えてみる

過去のトラウマが脳裏に浮かぶのは、今いる場所、状況がそのトラウマの時と酷似しているため、反射的に思い出すよう脳が設定しているからです。

つまり、脳は「この場所は危ない、逃げろ」指示してるようなものなので、悪化する前に一旦その場所を離れて気分を変えてみると良いでしょう。

ちなみに原因が特定の個人の場合、その人の前でパニックを起こすと不審がられるので、トラウマを悪化させかねません。

相当苦手な人なら距離を置いた方が良いです。

ただし、本当にあなたを心配し気遣ってくれる人がいたら、迷わず相談しましょう。 そうすると安心感やメンタルが上がります。

どうすればパニックを収束できるのか

定期的にパニック起こす人が同居人(家族や友人)なら、その人のパニックを毎度抑えるには、一苦労かと思います。

自分がパニックを起こしやすいと自覚しているなら、お互い助け合えますが、無自覚だと収めるのは困難を極め、改善されないと両方ともますます追い込まれていくでしょう。

パニックを可能な限り、最小限に抑える手段でしたら、いくつかあります。

観察してパターンを把握する

パニックが発生する決まった時間、場所で発生する習慣があると仮定した場合、そこから収束パターンが見えてきます。

自閉症があると、同じ条件で反復的な行動に出やすく、パニック発生から取り乱した精神を落ち着かせるために以下の行動を行います。

発生⇒収束のパターン

  • 自分の陰口を家われた⇒個室で横になる
  • 上司・先生に叱られた⇒好きな音楽を聴く
  • 人に笑われるような失敗を犯した⇒布団にくるまる
  • 嫌なことがあった場所にいる⇒その場を離れながら、過去を追体験してるかのような独り言を言う

パニックを起こしやすい人を観察してみて、発生パターンが見えたら、収束させるためのパターンのある行動をし推奨、もしくは本人の精神を落ち着かせるような飲食物を差し出してみましょう。

ちなみに観察記録をとるなら、きちんと本人の同意を取りましょう。 でないと、視線に気付かれたら不審者扱いされてしまうかもしれません。

収束パターンがない時は?

どれだけ観察しても収束の見通しが立たないのなら、思い切って壊してよいものを与えましょう。

パニックはひどい時には強い破壊衝動を引き起こします。 善悪の判別がわからない知的障害者はそれに吞まれやすく他害に及ぶ危険があります。

その衝動を逆手に取り破壊の対象を、壊しても問題のない物にすり替えます。

根本的な解決にはならないかもしれませんが、パニックを放置して他害に及ぶのは、犯罪になるので、それだけは絶対にダメです。

この方法は傷害罪、器物破損罪まで達しない程度に、物を壊しパニックを収束させるという最終手段になります。

もちろん、人目につかない場所で収束させる事を忘れずに。

まとめ

パニックが起きる原因は、思い出したくない過去が頭に浮かぶ反動と、意図的な要求や拒否の表現ができないためです。

パニックとは「助けて」「教えて」などのSOSを、社会的に不適切なコミュニケーションで表してるといって過言ではなく、機能的なコミュニケーションが苦手な人は、攻撃的な行動に移してしまっているのです。

しかし、本人にその自覚があれば改善はできます。 パニックを放置しすぎて、自傷・他害を習慣にすることだけは避けなければなりません。

一人ひとりに適切な収束パターンを見つける事が、パニックへの耐性を高める秘訣になります。