行動障害支援に役立つアイデア集は知的障害や自閉症によって、生活に支障をきたしている人を支援する、文字通り療育、福祉関係者向けの本になります。
支援施設(例えば特別支援学校など)で務めた経験や障害への専門的な知識を知っておかないと、最初読んだときに理解するのに時間がかかるかもしれません。
しかし、暮らしに使えるアイデアや考え方を知る事で、ご自身の悪い特性を改善し配慮してほしい事を明確に伝えられると支援してくれる人の負担を軽くすることができます。
行動障害支援に役立つアイデア集で特に印象に残った事やこの本を読むメリットをお伝えします。
- 第一章 支援の心構えと準備
- 第二章 環境設定のコツ
- 第三章 関わり方のコツ
- 第四章 日課別支援のコツ
障害者支援は究極の知的作業
支援作業は本人の行動を観察し傾向を見極め予測を行い、常に考え備えることが行動障害支援の基本です。
そのため、支援者は身体を使わざるを得ない作業が日常化しており、プレッシャーにさらされていると言えるでしょう。
正確な予測を行えば行動障害の多くは未然に防ぐことができ、頭脳と歓声を働かせて準備をすることが重要です。
見守り支援の適切な距離感とは
支援といえば手を添えて支援者が手伝う能動的なイメージがありますが、自立している行動はあえて手を出さずに適切な距離から見守る方が良い場合もあります。
本人にストレスを与えないようにするには、見守りながらの支援が適切なのです。
見守り支援
- さりげなくそばで観察
- 突発的なことが起こった時に対応する
見えなくする支援
自閉症のある人の代表的な特性に視覚優位というのがあります。
視覚優位の特徴
- 言葉で理解するように目で見たり、映像として理解することを好む
- 見える情報を解釈するのが得意
- 活動に関係のない刺激は無視して、意識に入れない取捨選択は特性的に苦手
一度目にしたら気にせず入られない特性なので、ちょっとした対策が必要になります。
対策として
- 活動に関係のないものを片付ける
- 見えないようにフタをする
視界から消すことで目の前に事に集中するのが少し簡単になります。
支援者は25%ほめるを意識
集中力や持続力を継続できないと何かを達成する事は出来ないので、一人で自立的に何かを達成する機会が少ない人をどう評価したらよいのか迷うことがあります。
視点を変えて取り組むという過程に注目し、その行動に評価する事には大きな価値があります。
そのため、支援初心者は目安として25パーセントごとに褒める事を意識すると、褒めるネタが豊富になります。
まとめ:支援者を支援できるようになる
障害者支援は究極の知的作業
見守り支援の適切な距離感とは
見えなくする支援
支援者は25%ほめるを意識
支援者は普通に生活できない障害者を手助けしてくれるありがたい存在です。
それゆえにクレームにも対応する臨機応変さが求められ、非常に大きなプレッシャーはストレスを抱えるリスクがあり、最悪うつ病や適応障害と言った病気を支援者がかかる恐れがあります。
療育センターなどに勤める支援初心者は障害者とどう接すればよいのかわからないだけでなく、パニックのある発達障害者から苦情がくると心労が重なるのは必然です。
行動障害支援に役立つアイデア集には現場で起きると考えられる問題の解決や障害者とのかかわるコツなど、体系的に説明されています。
また障害者が支援者向きであるこの本を読むと、自分の配慮してほしいことがわかる上、現場に使えそうなアイデアを支援者に伝える事で、支援者の負担を軽くする大きなメリットがあります。
療育や福祉の仕事に携わる方、自身の行動障害を改善したい方には非常におススメできる本です。