知的障害
トゥッキーのプットブログ
境界知能・軽度知的障害

境界知能の生きづらさとは?

境界知能の認知度が高まってる中、比例して誤解や差別意識が広まってるのも確かです。

境界知能が話題になったのは児童精神科の宮口幸治教授がケーキの切れない非行少年たちを出版し、非行少年が犯罪を行った原因などを突き詰めたおかげです。

この記事では宮口教授と花まる学習会代表の高濱正伸教授の対談インタビューの感想を書いています。

IQ70以上85未満の「境界知能」を持つ子が生きづらい理由とは 『ケーキの切れない非行少年たち』の著者に聞く

各章

  1. IQ70以上85未満の「境界知能を持つ子が生きづらい理由とは
  2. 境界知能だと発達がゆっくりなため、4年生のクラスに2年生がいるイメージ
  3. 境界知能と思われる子は、1クラス35人なら約5人はいる計算に
  4. 多様性や個性の尊重以前に「みんなと同じになりたい」それが子どもたちの願い

みんなと同じになれない現実

IQ70以上85未満の人間は1クラス35人だと5人はいて、その5人が境界知能に相当します。

この五人は学校だとしんどい思いをしていることが多く、主な共通点に

  • 勉強ができない
  • 友達とうまくいかない
  • 努力不足だと言われる

このしんどさを抱えてる子供が1クラスに5人だから全国規模だと1000万人以上に達する可能性があります。

境界知能の子どもは得意分野によっては勉強がうまくいくケースもありますが、ほとんどが授業についていけず同級生や教師には物覚えが悪い子と認識され問題児扱いされます。

頑張れば多少他の子に近づけるんじゃないのと思うかもしれませんが、知能が低い以上どうしても限界があります。

境界知能の子どもに定型発達と同じカリキュラムを振り当てるとたいてい、クラスで最下位の順位となり余計に劣等感を強くします。

結果、孤立しのけ者のにされます。

普通と言われる子供に憧れつつも決して同じになれない疎外感を持つのが、境界知能の最大の悩みどころです。

問題を先送りにさせ結局は社会でもうまくいかない

私が小中学生のころ、軽度知的障害や境界知能に関して認知がなくそれこそケーキの切れない非行少年の漫画版の登場人物たちと通ずることがありました。

同級生にコケにされたり、やりたくもない班長の仕事を押し付けられたのは今でもトラウマに残っています。

今は理解がだいぶ進んでいるとはいえ1990年代から2010年代前半は境界知能と思われる子供は、他の大多数の子どもと同じように勉強ができない、周りとコミュニケーションが取れないためにしんどい思いをしているにも関わらず放置され、就職しても理解や手助けを受けられないので最悪犯罪に走る恐れがありました。

私も一歩間違えたらそれに走る可能性が大いにありました。

境界知能の問題はずっと前からあったにも関わらず親や教師からは「様子をみましょう」と問題を先送りにされ学校でしんどい思いをしているのに努力不足だと言われて放置され、社会に出ても仕事がうまくいかないなんて事がよくあるので、鬱などの二次障害に至る危険があります。

境界知能のためのカリキュラムが構築されることを願う

通級指導教室や特別支援教育などの障害を持った子供たちのための支援教育もありますが、今のところIQが少々低い子供のための教育カリキュラムはありません。

宮口教授が考案したコグトレがありますが、学力や成績を上げるものではなく、認知機能を改善するためのトレーニングです。

集団教育だとIQが比較的高めな子供が優位に立つ傾向があるので、境界知能だと普通の教育に遅れをとるのがよくあります。

願わくばIQが低めな子供のための教育カリキュラムが未来出来たらいいなという気がします。