知的障害
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【読書感想】境界知能のこどもたち 要約

境界知能や軽度知的障害および知能検査について調べたい方、子供が知的能力にハンディがある疑いがありどうにかして解決したい親にはこちらの本を読んでほしいと思います。

特に知的なハンディキャップについて知っておくと、うまくいかなかった子育てに改善の兆しが見えるかもしれません。

「境界知能のこどもたち」の感想や要点を簡潔に説明します。

各章
  • 第1章 気づかれない 境界知能と軽度知的障害
  • 第2章 知能検査について知る
  • 第3章 教科学習の前に なぜ認知機能が大事なのか
  • 第4章 子供の可能性はどのように伸ばすのか

境界知能・軽度知的障害の特徴

知的障害と判断されるには3つのポイントがあり、知能指数(IQ)を測る知能検査にはいくつか種類があります(WAIS、子供用のWISC、田中ビネー式など)。

3つのポイント

  • 知的機能に障害がある(IQが84~70以下)
  • 障害が18歳までに起きていること
  • 日常生活に支障が生じている

例えば日常生活の支障とは勉強についていけない、仕事で何度かミスをするなんて事がよくあり、境界知能・知的障害に共通する苦手なことを一覧にするとこうなります。

苦手なこと

  • 勉強が苦手
  • 対人コミュニケーションが苦手
  • 臨機応変な対処が苦手
  • 感情コントロールが苦手

何故かIQが普通の人より少しだけ下回ってるだけで、苦手なことがあるため生きづらい思いをする羽目になる傾向があります。

日本の人口の14%は境界知能に相当し1700万人はいるといわれており、軽度知的を含めると2000万人に達すると思われます。

知的なハンディがある子供が周りの定型発達の子と比べられながら育つと、うつ病や適応障害なども患う危険があります。

しかし気づきにくい障害でもあるため社会的支援が受けにくく、同級生から疎まれたり先生から常に叱責される日々を送る事がよくあります。

知能とはどういうものなのか

デイヴィッド・ウェスクラー博士は、「知能」について「目的に沿って行動し、合理的に思考し、能力的に環境を効果的に処理する個人の総合的・全体的能力」と定義しています。

引用元:境界知能の子供たち p55

知能検査で測る指標

  1. 言語理解(聞く力)
  2. 知覚推理(見る力)
  3. ワーキングメモリ(記憶力)
  4. 処理速度(物事を処理するスピード)

知能の定義とは専門家の見解によってそれぞれ異なるため、一概にどんなものか曖昧になっています。

知能指数が高い=頭が良いのが思い浮かぶと思いますが、必ずしもそういうわけではなく、逆にIQが低いのに要領がいい人もいるようです。

知能検査で測ることは人間の脳の一部の能力を測っただけにすぎず、一人ひとり頭のよさとか社会適応能力を調べるわけではないようです。

著者の宮口幸二教授いわく脳の一部を測ったIQよりも認知機能を鍛えることが勉強や仕事を効率よくやれるカギとなるようです。

認知機能とコグトレ

引用元:境界知能の子供たち P104

認知機能には五つありこれには見る、覚える、想像するなどの役割を果たしIQとは似て非なる概念です。

私が以前やったWAISではパズルや数唱など複雑な問題が多数出てきて困惑したものですが、学校に出てくる問題は余りありませんでした。

大雑把に言うと知能検査を開発した学者が設定したテストをひたすら解いていくような感じで、学校によくある悩み事を解決する問題はなかったのです。

学校によくある生徒の悩み事にはこうゆうのがあります。

学校でよくある悩み
  1. 授業についていけない
  2.  先生の指示を聞き取れない
  3. 計算が苦手
  4. 文章が読めない
  5. 漢字が覚えられない

ほとんどが学習の遅れに関する内容で、宮口教授によると認知機能に弱さがあり授業についていくベースがないのが原因との事です。

境界知能だとさらに機能に支障があり、他の生徒に合わせて授業をするのが困難で、余計に劣等感を高めてしまうでしょう。

認知機能を発達させる支援プログラムにコグトレが紹介されています。

境界知能と軽度知的障害だと定型発達児に比べ7割程度の発達年齢となり、どうしても理解力に遅れが生じ結果的に成績が下落することがあります。

そんな認知機能が弱い児童を救うために開発されたのがトレーニングがコグトレで、図形を模写、筋道を立てて論理的思考力を向上させる内容など様々あります。

コグトレを実践した児童には、以下の効果を体験したようです。

  • 暗算が早くなった
  • 書き写しが速くなった
  • 文章がうまく書けるようになった

認知機能を強化したい、自分の子供が知的能力が低いと心配な親の方にはコグトレをやってみるのが良いかもしれません。

まとめ

日本に7人に1人はいるといわれる境界知能・軽度知的障害は早期発見と支援が必要で、むしろそうしないと伸ばせる能力の芽を摘む恐れがあります。

知的ハンディキャップについての予備知識があれば、子供の認知機能の弱い箇所の見当がつきやすくなり適切なトレーニングをすれば大幅に伸びる可能性があります。

境界知能のこどもたちは子育てをする親の皆様、知的ハンディを改善し認知機能や知的能力を上げる支援策や具体的なトレーニングを知りたい方に非常に参考になる情報が載っています。